駐在員が一度は経験する展示会。
販売実績の少ない海外では有効な集客ツールの一つです。
本記事は
「展示会って役に立つの?」
「何のためにやるの?」
「どう進めればいいの?」
という疑問に答えます。
上から順に読んでいけば展示会のメリットや準備方法についてのイメージがつかめます。
展示会のメリット
展示会はあくまで販売促進の手段です。
出展すれば必ず売れるという訳ではありませんが、少なくとも自社の商品に興味を持つお客さんにはアプローチできます。
海外拠点では
「どういったお客さんがいるか」
「どんなニーズがあるか」
を考えることから始まります。
これらをゼロから探すのはとても大変です。
僕はお客さんになり得る会社にダイレクトメールや飛び込み営業を何度も(100回くらい)やりましたが全くと言っていいほど上手くいきませんでした。
それに比べ、一気に集客ができる展示会はとても効率の良い手段と言えます。
会社では毎年1〜2回出展を行っていますが、少なくても数十〜数百の潜在顧客の連絡先をゲットしています。
あとはお客さんが商品の魅力を感じたら晴れて販売となります。
逆に言うと展示会に参加したとしても商品力がなければ売れません。
仮に「商品力に自信がない」という方でも参加する意義はあります。
展示会に来るお客さんは
「もっといい商品ないかな?」
「こんな問題を解決したい」
というように何かしらのニーズを持っています。
お客様の声は神の声
と言わているように、これらは商品の改良や新商品開発のヒントになります。
営業やマーケティング、商品開発の担当者にとって、普段の商談ではなかなか教えてもらえない貴重な情報が展示会に参加するだけで簡単に手に入ります。
このようなメリットがあるので一度は出展してみることをオススメします。
出展の流れ
それでは早速どのように準備をするか見ていきましょう。
出展の流れは以下のような感じです。
・ 参加する展示会を探す ・ 予算の確保 ・ ブースの予約 ・ レイアウト作成 ・ 展示物の用意 ・ 展示会の案内 ・ 展示準備 ・ 出展
参加する展示会を探す
まずは参加する展示会の
- 場所
- テーマ
- 日時
- 費用
を確認します。
EventsEyeというウェブサイトで各国の展示会の一覧が調べられます。
どの展示会にもテーマがありますので自分の商品に合うものを選びましょう。
過去の出展者リストも調べられますので同業者の出展を見てみるのもアリです。
日時と費用もここで調べ大丈夫そうなら準備を進めていきます。
予算の確保
当然ですが出展にはお金がかかります。
最低でも数十万円は覚悟しておきましょう。
決して安くないので参加することのメリットを訴求して予算を確保する必要があります。
僕の場合は「飛び込みで営業するよりよっぽどいいでしょ?」と行って会社を説得しています😌
この際に重要なのは短期的な効果を求めないことです。
海外では日本みたいな販売ノウハウがありません。
良い販売の仕組みをゼロから作っていくためには当然失敗も経験することになります。
「展示会が販売促進に有効かどうか確認する」くらいのマインドで気軽に挑戦してみましょう。
ブースの予約
参加する展示会が決まったら次はブースの予約です。
基本は展示会の公式ウェブサイト経由で行います。
申し込みフォームに記入して送信すると主催者から確認メールが来るのでその手順にしたがっていけば問題ありません。
中央や入り口付近など人通りが多いブースは人気です。
すぐ埋まってしまうのでこだわりのある方は1年前から予約しておくのがベターです。

好きな場所を選べます

中央など人通りが多いブースほど高くなります
レイアウト作成
ブースが決まったらいよいよレイアウトの作成です。
初めての方は難しく感じると思いますが、やることはそんな多くありません。
主催者がブースのデザインを予め用意してくれているのでそれをベースに決めていけばOKです。

このようにレイアウトを見せてくれます
パネルはポスターを貼るために使います。
どのくらいの大きさのものが何枚貼れるかを確認し、それに合わせて展示用のポスターを作ります。
商品のサンプルを展示する場合はブースの大きさを考慮しましょう。
お客さんが歩いて回れるスペースをある程度確保しておいた方が良いです。
展示会当日はお客さんとブース内で打ち合わせをすることがあるのでテーブルと椅子は用意しておきましょう。
また、自分たちのカバンなど収納できるキャビネットの有無も確認しておいた方が良いです。
展示物の用意
レイアウトが決まったら展示するモノを用意していきます。
具体的には
- ポスター
- 両面テープ
- カタログとホルダー
- 商品サンプル
- 名刺
- ノベルティ
などです。
ポスターは普段使っているものがあればそのまま利用すればOKです。
どの国でも印刷業者があるのでデータファイルを持ち込めばパネルの大きさに拡大印刷してくれます。
ポスターの貼り付けには両面テープを使います。
ブースに来るお客さんが最初に手にするのがカタログです。
必ず用意しましょう。
「とりあえずカタログだけくれ」という人も多いので多めに印刷することをオススメします。
また、お客さんが手にしやすいようにカタログホルダーがあると親切です。
商品サンプルも必須です。
「百聞は一見にしかず」というようにこれがあるのとないのとでは全然違います。
海外の人はまず現物を見たがります。
運が良ければ
すぐ評価→案件が一気に進む
なんてこともありますのでしっかりと準備しましょう。
興味を持ってもらったお客さんには連絡先を教える必要があります。
その際に「名刺が足りない」ってことにならないよう名刺は最低でも200枚は用意しておきましょう。
カタログと同じように名刺もホルダーに置いて展示させると良いです。
ノベルティは会社や商品を認知してもらうために使います。
必須ではないですがどの会社も用意しているのでないと浮いてしまいます。
数万円くらいでおさまるので簡単なものを揃えておくと無難です。

初めての方はペンが無難です
展示会が海外で行われる場合、これらを手荷物で持っていくのは大変なので宿泊するホテルなどに送っておくと良いです。
展示会の案内
展示会の内容が揃ったらお客さんに周知しましょう。
僕の場合は会社のウェブサイトへの掲載とお客さんへの案内メールを送っています。
ウェブサイト用のバナーや案内文のレターヘッドは主催側で用意してくれますので確認しておきましょう。

こんな感じのバナーやレターヘッドを用意してくれます
展示準備
展示会の準備は前日または当日の朝からじゃないとできません。
会場は毎日のように展示会をやっていて、都度入れ替えを行うからです。
いつから準備ができるか主催者に聞いておきましょう。
パネルや重いものの搬入は主催側で行います。
自分たちでやることはポスターやカタログ、商品サンプルの設置だけです。
一人で準備するのは大変なので最低でも2〜3人は確保していきましょう。
ブースのセットアップが終わったらキャンディやチョコレートなどちょっとしたお菓子とドリンクも用意しておきましょう。
お客さんがブースに来たときに出してあげると喜びます。

こんな感じで置いておきましょう
出展
展示会当日は開場1時間前には入りましょう。
展示者用のネックストラップを受け取ったらあとは訪問を待つだけです。
開場当初は入場者が少なくヒマです。
このときに他のブースを回ってみましょう。
自分の業界に近い会社が出展しているので思わぬ繋がりができることがあります。
また、他の展示ブースのレイアウトを見ることも今後の参考になります。
ブースにお客さんが来てもすぐに話しかけずにまずは様子を窺いましょう。
グイグイ来られると多くの人は萎縮しています😅
少しでも興味があればカタログや展示物に目を向けるので、話しかけるのはそれからでOKです。
ブースに来たお客さんがとる行動は大きく分けると以下3つです。
- ノベルティだけとって去っていく
- カタログや名刺だけとって去っていく
- 商品に対する質問をしてくる
次のステップに進む可能性があるのは3のケースだけです。
質問をしてくるお客さんが現れたら「今困っていること」などを聞いてみましょう。
そうすると次のアクションが見えてくるので名刺をもらってフォローしていきます。
連絡先を教えてくれたお客さんには御礼メールもお忘れなく。
まとめ 展示会は有効な集客ツール ぜひ挑戦してみましょう
販売ノウハウが確立されていない海外拠点では、展示会は有効な販売促進手段のひとつです。
「どんな商品でも必ず売れる」ということにはなりませんが、出展することで
・ ターゲットとする客層へアプローチできる ・ 商品の魅せ方を学べる ・ 商品の改良や新商品開発のヒントが得られる ・ 出展のノウハウが蓄積される
これだけのメリットがあります。
短期的な費用対効果が得られなくても挑戦する意義は充分あると思います。
ぜひ試してみてください。
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