シンガポールでローカル従業員を解雇した話

仕事

こんにちは。fsです。
先日、ローカルの社員を解雇しました。

海外であればさほど珍しい話ではないですが、軟弱な僕にとってはとても辛い体験でメンタルが削られました。
(従業員の人生を左右する話ですので。。。)
それでも貴重な経験を得たことには変わりはありません。

そんなわけで今回は、「シンガポールでローカル従業員を解雇した話」をシェアしたいと思います。

「この人全然仕事してくれないな😓クビにした方がいいのかな?」
「解雇ってどうやってするんだろう?」
「クビを言い渡したとき、どんな反応がくるの?」

こんな疑問を持つ海外駐在員の方にお読みいただけたら幸いです。

解雇するべき社員とは

経営を携わる方なら誰でも

「社員にはできるだけ長く生き生きと働いてもらいたい」

このように思っているはずです。

ただ、会社運営は慈善事業ではありません。
経営者は、日々の業務に支障をきたす社員の処遇を冷静に考えなくてはならないのも事実です。

ときには会社にとって雇用するメリットがあまりない社員も残念ながらいらっしゃいます。
その基準はこんな感じです。

  • 定常的に遅刻する
  • 文句ばかり言って自分から改善しない
  • ミスを人のせいにする
  • ボサッと出社して、ボサッと退社する
  • 新しいチャレンジをしない
  • 売上を気にしない
  • 暇で当たり前と考える
  • 客などどうでも良いと思う
  • 自分の価値を自分で見つけられない

このうち、2つでも当てはまる場合は解雇を検討するものアリかと。
今回解雇したスタッフは7つほど当てはまっていました・・・・。
給料に見合わないようであれば、ドライな判断も仕方ないですね。

基本的に人の性格というものは変えられません。
いくら経営者が努力したとしても、本人がやる気を持って仕事に取り組まない限りは難しいのです。

なので、従業員を解雇することが会社にとってプラスと考えれば思い切って判断して構わないと思います。

解雇の手順@シンガポール

日本と違い、シンガポールの労働法は比較的解雇に寛容です。
以下の手順にしたがってやれば、大体の場合は大丈夫かと。
※雇用の細かいルールは労働省(MOM)のウェブサイトに書かれているので読んでおくと良いです

雇用契約を確認

欧米と同じく、シンガポールも契約社会です。
企業に入社するときは会社−従業員間で雇用契約を締結します。

契約書には契約解消(Termination)の条項が必ずあります。
まずはこの『Termination』の条件を確認しておきましょう。
具体的には、

  • 雇用主が何ヶ月前に解雇通知をしないといけないのか
  • どのくらいのお金を支払う必要があるのか(退職金など)

などです。

解雇を進めるには契約書に書かれている内容が一番大事なので、まずこれをチェックしましょう。

スケジュール設定

契約書の内容を理解したら、次は解雇までの大まかなスケジュールを立てます。

  • いつ辞めてもらうか
  • 引継ぎの期間はどのくらいするか
  • 会社側の準備期間はどのくらい必要か

などです。

これは正確でなくてもOKです。
大まかな目標が設定できれば次へ進みます。

弁護士に相談する

スケジュールがある程度決まったら、次は弁護士に相談します。
労働法に詳しい弁護士を見つけ、以下を確認してもらいます。
※弁護士はローカルの人を見つけると良いです

  • 解雇に至る経緯
  • 雇用契約書の内容
  • 考えられるリスク
  • スケジュール妥当性
  • その後の進め方(解雇通知や必要な文書)

特に進め方については色々とアドバイスしてもらえます(何を準備すれば良いかなど)。
ただし、会話は全て英語になるので、ある程度のレベルは必要になります。
不安な方は通訳をつけましょう。

解雇の準備

大まかな進め方が決まったら、事前準備を入念に行います。
具体的には以下のような感じです。

後任の選定

従業員を解雇するわけですから、当然後任となる人は必要になります。
日々の業務に支障がでないように、後任となる人にはそれとなくほのめかしつつ、これから業務量が増えることなどを説明しておくと良いです。

また、新たに人員を補充する場合は採用のスケジュールも組む必要があります。

解雇通知日の設定

後任が決まったら、対象の従業員にいつ頃通知するかを決めます。
センシティブなテーマなので、極力業務に支障が出ない日時を設定した方が良いです。

例えば、月曜日の午前中に通知をするとなると、仕事に集中できなくなりその週に取り掛かるはずだったタスクが進まないといったリスクが生じます。

このようにオペレーションを考えたスケジューリングが必要となります。
ちなみに僕の場合は金曜日の終業前にしました。
次の日は休みですし、対象従業員もすぐ家に帰って消化できるからです。

解雇理由を用意

解雇する従業員への説明も準備しましょう。
通知をする際に従業員から必ず背景を聞かれるからです。
大体の企業は以下のような理由で通知するようです。

  1. 会社方針(業績悪化やリストラなど)
  2. パフォーマンスの悪さ
  3. コンプライアンス違反

特に2と3を理由にする場合は、証拠をしっかり用意しておくと良いです。
万が一訴訟沙汰になった場合に、この証拠が重要な意味を持っていきます。
僕はこの証拠集めに数ヶ月をかけました。

従業員への通知

解雇のプロセスで一番辛いのがこれです。
基本的に、会社から解雇されてハッピーな人はいないからです。

ここでのポイントは

できるだけ誠実かつ毅然とした態度で解雇する理由を説明する

ことです。

相手が過度に感情的にならないよう、できるだけ心を込めて話すのが大事です。
台本などは用意せず、自分の言葉で話しましょう。

また、抵抗にあっても

「会社としての判断です」

と毅然とした態度を維持する必要があります。

このように接していたので、多少の文句(悪口?)は出たものの、大きな問題なく解雇通知は完了しました。

ちなみに通知当日は以下のような反応でした。

「なぜだ!?」
「いつまでに辞めないといけないの?」
「急に解雇だなんて、ひどい!!」
「退職金は出るの?」

今後の対策にどうぞ。

議事録の共有

解雇通知をしたあと、もう一つ辛い作業があります。
それは

対象の従業員と話した当日に議事録を共有する

ことです。
こちらも訴訟になったときに備え、記録をとっておくという理由です。

ですが、この作業は心を痛めます。
『相手の傷口に塩を塗る作業』ですね😓

通常はこれはメールでやりとりをするのですが、その際、相手の感情を刺激しないような配慮をする必要があります。
僕は以下のような感じの構成で書きました。

〇〇様

本日のメモです。
以下の詳細をご確認ください。

・本日、残念ながら我々は貴方に解雇通知をすることになりました。
・通知日の今日から〇〇ヶ月後の〇月〇日が最終日です。
・〇月〇日までに、〇〇さんに引継ぎをしてください。
・退職金の内訳は〇〇です。

貴方のこれまでの貢献には大変感謝しております。
今まで本当にありがとうございました。

fsのメール

自分の全てのエネルギーを注入し、このメールを書きました(この原稿を考えるのに数時間をかけました😓)。
その結果もあり、翌日に「わかった」という返信が帰ってきました。
とりあえず社内の手続きこれで完了です。

通知日の前日と当日は一睡もできませんでしたが、少し解放された感じがします。
いまだに心はチクチク痛みますが😅

正式な解雇通知書の発行

最後の作業として、弁護士に正式な解雇の通知書を作成してもらいます。
通知日に話した内容を共有すれば、あとは弁護士側で作ってくれます。

内容としては、

  • 解雇日
  • 退職金の金額
  • 合意のサイン

大まかにこの3つです。

訴訟を避けるため、合意のサインのところには、

「これで合意したので、会社を訴えません」

と一文を加えておくとベターです。
※もちろん退職金の金額など、従業員への配慮も忘れずに

従業員にサインをしてもらったらこれで全ての手続きが完了です。

あとは感謝の気持ちを込め、送別会や個別でのプレゼントなど実施しできるだけ気持ちよく退職していただくと良いです。

まとめ 弁護士をうまく活用しましょう

今回のまとめは以下の通りです。

・経営の仕事に携わっていると、問題社員を解雇しないといけないときがある
・解雇を検討すべき社員の特徴:
 ①定常的に遅刻する
 ②文句ばかり言って自分から改善しない
 ③ミスを人のせいにする
 ④ボサッと出社して、ボサッと退社する
 ⑤新しいチャレンジをしない
 ⑥売上を気にしない
 ⑦暇で当たり前と考える
 ⑧客などどうでも良いと思う
 ⑨自分の価値を自分で見つけられない 
・解雇の進め方@シンガポール
 ①雇用契約の確認
 ②スケジュール設定
 ③弁護士と相談
 ④解雇の準備
 ⑤解雇の通知
 ⑥議事録の共有
 ⑦正式な解雇通知書の発行

経営に携わる以上、従業員の解雇は必ずは直面する問題です。
人の人生に関わる事ですので、そのストレスたるや想像を絶するものがあります。

辛いプロセスですが、そんなときは弁護士の力を借りましょう。
色んなケースを共有してくれたり、リスクをなくすためのアイデアを提供してくれます。
この道のプロである彼らのサポートがあればなんとか乗り切れるはずです。

ローカル従業員のマネジメントで悩みを抱える駐在員の方に向けて本記事を書きました。
少しでも参考になれば幸いです。

今回は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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