出向という形をとっている駐在員にとっては、本社からのリクエストは無下に出来ないもの。
よく考えたものであれば歓迎なんですが、自分たちのことしか考えていない困った要求もあるのも事実。
今回は、日々海外のお客さんと接している駐在員だからこそ感じる
「それはちょっと・・・😓」
という本社からの『無茶振り』をランキング形式でまとめました。
本記事はできるだけ多くの方に、海外拠点の人間の気持ちを知ってもらうために書きました。
各無茶振りへの対応策も載せましたので、日々悩んでいる駐在員の方にも読んでいただけたら幸いです。
なお、現役駐在員の僕が日々悩んでいることをリストアップしているため、記事の信頼性は完璧です。
それではご覧ください。
第5位 翻訳のリクエスト
意外と多いのが資料の翻訳を依頼されることです。
本社のおじさんたちに多いのですが、
「英語得意なんだから良いだろ😏」
と軽いノリでリクエストしてきます。
はっきり言いますが、海外拠点は翻訳センターではありません。
何百社もの海外顧客を持っており、その対応に忙しいので翻訳をしているヒマはありません。
というわけで、翻訳を丸投げされたらすぐ断りましょう。
海外に商品やサービスを売りたいと思っているなら、英語版の資料は持っていてしかるべきです。
これが出来ていないようであれば、
「ラケットを持たずテニスをする」
ようなもので、全く準備が出来ていない証拠です。
そんな人たちを相手にする必要はないので、遠慮なく断ってしまってOKです。
第4位 よくわからない出張要請
以前の記事でも書きましたが、目的のわからない出張を要請してくる人が非常に多いです。
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海外拠点はお客さんの窓口です。
意味のない出張で、お客さんや自分たちの時間を浪費する必要はありません。
出張をリクエストしてきた場合は、まず目的を聞きましょう。
そうすれば予定を組むべきかどうか判断できます。
特に意味がなさそうであれば断ってしまうのもアリです。
第3位 情報を開示しない
高機能を持った技術的な商品やサービスに多いのがこのケースです。
情報流出を恐れすぎるあまり表面的な情報しか出ず、海外拠点の人間は
「どう売れば良いかわからない😓」
こんなことがよくあります。
ある産業資材の説明資料をもらったのですが、書いてあるのは機能だけで使い方や品質を評価する基準などの情報が全くありませんでした。
頑張ってお客さんに説明したのですが、
「どう使ったらわからない。こんなもの検討できない。」
というコメントだけもらい、結局その場でポシャってしまいました。
日本と違い、海外のお客さんはわかりづらいものを嫌います。
なので、情報提供を制限しすぎると検討さえしてくれません。
このようなケースに遭遇した場合は、
スタンスを決める
ことが大事です。
お客さんの立場に立って、
「ここまでは開示しないと先には進めないな」
という風に感じたら、遠慮せず本社に情報提供をリクエストしましょう。
それでも対応してもらえない場合は諦めるのも手です。
お客さんの声を代弁できるのは海外拠点の人間しかいないので、自分の感覚に自信を持って対応することが大事です。
第2位 日本での価格を押し付ける
海外拠点、特にアジアの駐在員がよく悩むのがこのケース。
僕も本社から
「日本だとこの値段で売れている」
「そっちは安すぎる」
「売れないのはお前のやり方が悪い」
こんな風に日本での価格を押し付けられて、頭を抱えます。
こんなとき覚えておきたいのが
価格を決めるのは市場
ということ。
価格は市場の需要と供給で決まります。
地域によって環境が異なるのは当然です。
特にアジアでは中国が競合となる場合が多いので、どうしても日本より競争が激しくなります。
その前提を踏まえつつ、海外拠点の人間が把握しないといけないのが
- 自社のコスト構造
- お客さんの収益モデル
の2点です。
「長期的にみて、コストを下げられるのか」
「価格が変動したときにお客さんの負担はどうなるか」
これらが見えてくれば、値段のギャップが生じたときにどのようなアクションを取れば良いかわかるようになります。
ビジネスの全体を見てみると、現在使っている原料が高かったり、輸送が非効率だったり本社側に問題があることがわかったりします。
このようにマーケット視点でもの考えると、会社全体の課題を抽出できるようになります。
つまり、本社のリクエストが適切かどうか判断するためには、自ら勉強することが必要ということです✍️
第1位 供給をストップされる
海外拠点にとって一番辛いのが、苦労して獲得した商売をいきなり切られることです。既に僕は何回もこれを経験し、その度に泣きました。
ケースとしては
- 設備のトラブル
- 価格の上昇
- 在庫管理のミス
などが起き、一方的に
「出せません」
と言われます。
こちらとしては契約で決めたことを一方的に打ち切られるわけですから、たまったもんではありません。
訴訟されそうになったり、ものを投げられたり辛いことが何度もありました。
対策としては日本のキーマンを
信頼できるかどうか
を見極めるしかありません。
なぜなら一度信頼を失ったら、取り戻すことはものすご〜く大変だからです。
「日々の仕事の中で、本社の熱量を観察する」
それも駐在員の役割かと。
まとめ 自分の感性を信じて無茶振りと戦いましょう
駐在員になって3年半が経ちますが、そこで僕が感じたことは
「日本と考え方のギャップはなくならない」
ということです。
その前提を知っていれば、本社から無茶振りが来ても悩む必要はなく、
自分たちの存在意義を考える→スタンスを決める→冷静に対処する
このような駐在員のミッションに集中できるはずです。
ただ指示通りに動くだけでは海外拠点を置く意味はありません。
なぜなら、海外のお客さんを代弁できるのは海外拠点の人だけだからです。
本社の無謀な要求に待ったをかけながら、ビジネスをあるべき方向に導く
これが本来僕らがやるべき仕事なのではと思います。
本社からの無茶振りに困ったときは、自分の感性を信じて戦っていきましょう。
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