ローカルスタッフの離職に対峙する

シンガポール

こんにちは。fsです。
駐在員の悩みとして尽きないのがローカルスタッフの離職です。

先日、会社の買収に伴い、何人ものローカル社員から退職の相談を受けました。
引き止められたケースもあれば、残念ながらダメだったケースもあります。

海外では日本のような”会社に尽くす文化”がないので、多かれ少なかれ必ず直面するものです。
ですが、管理職として派遣される駐在員にとっては、できるだけ多くの社員に長くいてもらいたいと思うもの。

というわけで今回は離職の相談を受けたときの対応をシェアしようと思います。
現役駐在員の方の参考になれば幸いです。

離職は必ず起きるもの

前提として知っておいていただきたいのは、

ローカルスタッフの離職は必ず起きるもの

ということ。

日本と比べ海外は人材の流動性が高いです。
少しでも良い条件(待遇や環境)があれば迷いなく転職しますし、ローカルの社員もこれに慣れています。

一方で、びっくりするくらい長く働いてくれる社員も少なからずいらっしゃいます。
このような人材が多くいてくれれば、海外現法としての競争力は上がっていきます。

まさに『人は城、人は石垣』。
社員の定着率を高める努力をするのも駐在員の仕事の一つです。

離職者の引き止め方

僕自身の6年間の駐在経験から、離職する理由は大体こんな感じです。

  • 給料に不満
  • 上司と合わない
  • 健康上の問題
  • 成長を期待できない
  • 評価されていない

海外の慣習を考えると、ある程度離職者が出るのは避けられませんが、引き止められるのであればそれがベター。
採用や教育などの金銭的、時間的コストはバカになりません。

それぞれのパターン別の対応策をみていきましょう。

給料に不満

どの国の人もお金は大事です。給料もモチベーションの源泉になります。
もちろん、採用時には給料に納得して入社するのですが、何年かすると不満が出るようになります。
それはローカルスタッフ同士で給料の情報交換をしているからです。

「〇〇に比べて安いから気に入らない。会社辞める!!」

といった感じです。

日本人からすると給料情報を共有するなんてあり得ないことですが、ここは東南アジア。
当然のように起こり得ます。

このようなケースが生じたら、本人の能力と全体のバランスを見て、上げられるようであれば対応しましょう
ただし、会社側から誠意を見せてやれることをやってもダメな場合はあきらめましょう。
給料のみに焦点を当てる人材であれば、どうせ長続きはしません。

上司と合わない

一番多いケースがこれです。日本と同じですね😌
特に細かく厳しい上司の下だと、よく生じます。
元々温和な人が多い東南アジアでは、厳しすぎる上司にはついていけないケースが多いです。

対応策としては、

上司の上司とも合わなければ、引き止めない

が良いと思います。

人間関係のトラブルはどちらにも原因があり、一方が100%悪いことはありません。
上位の上司が仕組みづくりやコミニケーションの改善などで解決できることもあります。
僕のケースはこれで1人引き止めることができました。

逆に上司の上司とも相性が悪い場合は、諦めましょう
ここまでくると仕組みとしての修復が難しいからです。

残念な気持ちを抑え、次の環境での活躍を祈念してあげましょう。

健康上の問題

逆に引き止めてはいけないのがこのケース。

特に中華系の人はよく働きます。
残業も休日勤務も必要とあれば指示がなくてもやってくれます。
それだけ責任感が強いので、放っておくと無理して体調を崩してしまいます。

この理由で退職の意向を出した社員に対しては、長めの休日をあげるのがベターですが、できない場合は解放してあげましょう。

むしろ、そのようになる前に手を打つ必要があります。

成長を期待できない

海外の現地法人だと日本のようなジョブローテーションはなかなかありません。
10年同じ仕事をしているというのもよくあります。

なので、どうしてもルーティン業務になってしまい飽きてしまう。。。
これも現地法人あるあるです。

ローカルの社員としては、

「この会社ではもう成長が期待できない😓」

といって心が離れてしまいます。

そんなときこそ、駐在員の腕の見せ所です。
成長を促せるような仕事をつくってあげましょう

例えばこんな感じ。

営業職→今までに取り扱ったことのない商品を担当させる
スタッフ職→業務の改善プロジェクトに巻き込む

常に従業員のモチベーションを観察し、新しい責務を追わせてあげると良いでしょう。

会社から評価されていない

「こんな頑張っているのに上司が評価してくれない。。。」

これもよくあるケースです。

アジアは上下関係が厳しい文化があるので、上司が部下を褒めることが少ないのが一因です。
人間、誰だって褒めて欲しいので、部下がタスクを完了したら

「Good job!」

と一声かけてあげましょう。
これだけでもモチベーションはだいぶ変わっていきます。

このように定期的に仕事をフィードバックしてあげることが肝要です😌

まとめ 人員には余裕を

今回のまとめは以下の通りです。

離職理由対応策
給料に不満本人の能力と全体のバランスをみて対応を決める
上司と合わない上司の上司との相性を確認(ダメなら引き止めない)
健康上の問題長めの休みを取らせる(難しければ引き止めない)
成長を期待できない新しく魅力的な業務を与える
評価されていない仕事に対して定期的なフィードバックをしてあげる
離職希望への対応

これらの根本的な原因は、十分な人員(リソース)がないことでもあります。
リソースがあれば各々に周りを見る余裕が生まれ、スタッフのちょっとした異変にも気づくことができます。
また、どう頑張っても離職はゼロにはならないので、有事のバックアップを含め人手は多いに越したことはありません。

駐在員の方にはこれらをぜひ意識して経営に携わってもらえたら幸いです。

今回は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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