こんにちは。fsです。
早いもので駐在生活5年目になりました。
海外での事業拡大を期待されたわけですが、その中で僕のミッションは『全くの新しいビジネスを作ること』、いわゆるゼロイチでした。
海外でのゼロイチは想像を超える難しさで、何度も挫折し鬱になりかけたこともありましたが、5年目になりようやく恥ずかしくないレベルまで持っていくことができました。
現在は比較的楽しくゼロイチ事業を楽しめるようになりましたが、このようになれたのは海外のお客さんからビジネスを作るヒントをもらえたからです。
そんなわけで今回は、(僕がお客さんから教わった)海外で事業拡大をするために必要なことをシェアしていきたいと思います。
僕の海外ゼロイチビジネスの実績
僕の海外でのゼロイチビジネスの推移は以下の通りです。
具体的には申し上げられないので、ざっくりとした数字にしています。
赴任期間 | 達成した売上額 |
1年目 | 5万円 |
2年目 | 15万円 |
3年目 | 100万円 |
4年目 | 1,000万円 |
5年目 | 3,000万円以上 |
僕が勤めている会社はBtoB企業なのでこれでもまだまだ不十分ですが、とはいってもゼロイチのビジネスなので恥ずかしくないレベルまでは来ていると思います。
何もできなかった1〜2年目
「なんとか海外で売上を上げろ」
と言われてきたものの、最初の2年間はとにかく全然売れませんでした。
英語も話せないし、英文の資料も作れない。
それでも上司からは
「この給料泥棒!売れないなら日本へ帰れ!!」
と言われ、必死にお客さんに食らいつきました。
毎週のように海外のお客さんへ訪問し、アピールし続けることで気持ち程度買ってもらえましたが、それでも2年目の十数万円がMAXでした。
※今思うとお情けで買ってもらった気がします😅
3年目を転機に立ち上がる
高い人件費を払って駐在員を置いているわけですから、会社としては十数万円の新規ビジネスでは満足してくれません(当然ですが😓)。
必死にもがきながら拡販活動をして3年目になったところ、ある気づきを得ました。
それを機に売上が100万円、1,000万円、数千万円と伸びていき、億単位のビジネスも見えてきました。
※ここまで来れば、プレッシャーから解放され比較的伸び伸び仕事ができるようになります😌
そのきっかけを作ってくれたのが、マレーシアの見本市(展示会)で出会ったローカルのお客さんの一言です。
マレーシアのお客さんが教えてくれたこと
十数万円の売上しか上げられず、会社から猛烈なプレッシャーを受けていた僕は、飛び込み営業や展示会参加など思いつく限りのことは全てやりました。
3年目になり、マレーシアで開催された国際的な展示会へ出展し、たまたまローカルのお客さんと面談できる機会がありました。
早速商品のPRをしたところ、その時のお客さんから受けた質問がすごくシンプルで合理的だったことにハッとしました。
結局、その質問には答えられず当該案件は失注してしまったのですが、そのときの3つ質問に『海外で新たにビジネスを作るポイント』が全て詰まっていることに気づきました。
これまで東南アジアで100社以上の新規顧客に飛び込み営業をしてきましたが、例外なく聞かれるのは同じ質問でした。
質問1 それどんなメリットがあるの?
よほどの有名企業でない限り、ローカルのお客さんはあなたの会社のことは知りません。
日本では企業の看板で仕事をすることできますが、海外のお客さんとのやりとりでは自分の会社や商品を知ってもらうことからスタートします。
ここで注意が必要です。
僕のような経験が浅い営業マンがやりがちなのですが、会社の紹介にダラダラ時間をかけるのは逆効果です。
海外のお客さんは日本よりよっぽど気が短いです。
短時間で商品/サービスの魅力をアピールしていくことが大事です。
そのためには入念な準備が必要です。
具体的には以下のような手順で進めると良いと思います。
- ホームページなどでお客さんの情報収集
- お客さんが持っているであろう課題の抽出
- 課題を解決する商品/サービスをピックアップ
- 商品/サービスの魅力を伝える資料の作成
当然ですが、まずは事前にお客さんのホームページなどを確認して、何をしている会社か知りましょう。
商品/サービスを売り込む以上はお客さんの問題を解決することが必要です。
お客さんの抱えるであろう問題を想像し、リストアップしていきましょう。
リストアップが終わったら自分たちのが提供できる価値を考えましょう。
お客さんが一眼見ただけで商品/サービスの魅力がわかるような資料が良いです。
資料はリーンキャンバス(ビジネスモデル)というフレームワークをベースに考えるとやりやすいです。
お客さんの課題から自分たちの提供価値まで一気に整理できます。
リーンキャンバスのフレームワークは以下の本で学べます。
質問2 それ本当に効くの?
商品に少しでも興味を持ってもらえたら、次に聞かれるのが
「それ本当に効くの?」
です。
ここまで来れたら売れる機会を手にしたということです。
効能を示すデータは惜しみなく出しましょう。
日系企業にありがちな悪い例が、流出を恐れ共有する情報を制限しすぎることです。
東南アジアの場合は競合が中国の会社になることが多いです。
中国企業は情報を惜しみなく出していくので、これについて来れなければ間違いなく取り残されます。
サンプルが手元にある場合は持っていくといいでしょう。
手元に商品があるとお客さんもイメージが湧きやすいので会話が弾みやすくなります。
質問3 それいくら?
最後に必ず聞かれるのが値段です。
リスクをとることを嫌いその場で価格を言わない人が結構いますが、それは間違いなくNGです。
当たり前ですが、値段がわからないものを採用することはあり得ません。
なので、怖くても
価格はその場で決める
このマインドが大事です。
休む暇はありません
上記の3つのポイントをクリアしたら、具体的なやりとりが(主にメール)始まります。
この時に注意するべきことは、
進展しているからといって安心しない
ことです。
海外のお客さんが新しい商品/サービスを検討するときは、
何かしら困っていることがあり、それをすぐ解決したい
背景があることがほとんどです。
なので、ちょっとしたことでもお客さんから問い合わせがあったら、すぐ対応するようにしましょう。
僕の場合は長くても一日以内に返事をするように意識しています。
休む暇がなく大変ですが、この心がけひとつで驚くほど成果が変わってきます。
現在、数千万円規模のビジネスに成長したのも、スピーディーな対応をとった結果だと自負しています。
対面でなくても伝えられる
海外のお客さんが教えてくれたことは
① 商品/サービスの魅力 ② ①を証明するエビデンス ③ 価格 をいち早く提供する
ことです。
これを意識することで、
- 自社の商品/サービスの強みが洗い出される
- 提案資料がわかりやすくなる
- 一案件ごとの意思決定が早くなり、こなせる案件が増える
などのメリットが出てきて、新規の制約数がどんどん上がっていきました。
コロナ前は主に対面でPR活動をしてきましたが、コロナ後はウェブでの拡販を余儀なくされました。
4年目以降の新規売上は全部オンラインからの獲得です。売り込み手段がオンラインになるだけで、大事なのはやはり上記3点を抑えることかと。
ちなみにこれをウェブマーケティングに活用した記事も書いてあります。ご興味のある方は以下をご参照いただければと思います。
まとめ 事前準備をしっかりして意思決定は迅速に
海外では日本のように相手の考えを慮るような商習慣はありません。
どのローカル企業も自分のペースに合う取引先を選びます。
日本以上に顧客視点が求められる世界とも言えます。
繰り返しになりますが
・相手の欲しいものを考え理解する ・相手の要求に答える準備をする ・要求にいち早く回答する
が大事です。
基本的なことですが、これをやっていれば少しずつ結果は出てきます。
結果が出始めると、自分のモチベーションやスタッフの士気も上がります。
そうなれば、組織が活性化され自ずと事業も広がっていきます。
海外でのゼロイチビジネスはしんどいですが(結果が出ない時期は本当に吐き気がします😅)、結果が出始めるとかなりの充実感も味わえます。
海外で苦戦している人が挫折することなく新規事業に立ち向かっていただきたいと思い本記事を書きました。少しでも参考になれば幸いです。
今回は以上です。
コメント